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#986 母の玉ねぎコロコロの巻

こんにちは、マリアレイです。

久しぶりに、母のお話です。

マリアレイは、長年、母と暮らしています。

ずっと、実家暮らしだったのですが、昨年末に、突然、実家を売却し、母と一緒に、大阪の北摂へ移り住むことにしました。大阪では、新しい家を建てると、大事な人が亡くなる。という迷信があります。昨年末まで住んでいた実家は、半世紀ほど前に、父が建てたものでした。父は、高齢の祖母のことを思って、静かな美しい大きなお庭のお隣の土地に巡り合って、そこに、家族のための家を建ててくれました。もともと、その土地にあった、柿の木の老木を大切にそのままにして、その脇に家を建てました。季節が巡って、秋になり、その柿の老木に、柿の実がなりました。おっきなタネで、しかしながら、なんと、甘くて美味しい実がなったんです。

父は、その柿の木を、この土地を知っている守りの木だと言って、大事にしていました。

その家にお引越ししたのは、冬だったと思います。

祖母のお部屋に、家族とは別に、祖母のための、洋式トイレ、キッチンを作ってありました。

その新しい家にお引越しして、程なく、祖母は逝ってしまいました。

父は、まだ、幼かった私に、大阪に伝わる迷信を語ったのでした。

半世紀の前に聞いたその話は、21世紀になって、私の耳によみがえりました。

今、新しく家を建てると、母に、もしものことがあったら、もう、後悔してもしきれない。きっと、マリアは、一生、悔やむことになるだろう。チャレンジだけど、人生初の賃貸に引っ越そう!

しっかり決意して、今、このお部屋へ引っ越してきました。

その母です。

脳梗塞が発症して、17年になります。

このマンションにお引越ししてきてから、みるみる、元気になってきました。

新しいマンションは、バリアフリーで、暮らしやすさが、抜群です!

母は、『ここは、いいね』と、繰り返し言ってくれます。

『ここは、いいね。マリア、お母さんは、ここが終の住処になるといいなって思うの。』っと、何回も言うのです。

ここのお家賃は高くて、緊急避難的に、ここに越したのですが、母が、ここまで、気に入ってくれるとは、感激です。頑張って、ここのお家賃を払おう!っと、元気が出ます。

何よりも、機密性が高いので、冷暖房がよく効いて、快適なんです。

段差と気温差が、高齢者の敵ですね?!

さて、その母は、体調が良い時には、お料理をします。

脳梗塞のリハビリで、女性の方の回復率が高いのは、お料理やお洗濯物をたたむ、買い物に行って、お金を払う、などの、日常的な行為が、リハビリに大きく寄与するそうです。母を見ていて、本当に、そうだなぁっと思います。

前置きが長くなりすぎました。。。

その母です。

さっき、お昼ご飯を作りにキッチンへやってきました。

私の仕事のデスクは、キッチンの前にあります。

ここなら、母が、何かしているのを、お仕事しながら、気配でわかりますからね。

さてさて、その母が、キッチンへやってきました。

ガサゴソっと、音がしています。

『ゴロン』っと、小さな音がした後、母が、もぞもぞしています。

『あれあれ、どこへ行ったんや?』

『どないしても、どこへ行ったか言わへんの?』

っと、意味不明なことを言い始めました。

「どうしたの?」

『うん、お昼ご飯に、玉ねぎを切ろうと思ったら、どっか行った』

「玉ねぎは、3つ、そこにあるでしょう?」

『それがや、1個、持ったら、どっかへ落っこちて、なんぼ探してもあらへん。。。』

玉ねぎが行方不明なんだそうです。

私は、リビングへ出て行くと、和室の畳の上に、玉ねぎが、チョコンっと座っていました。

「お母さん、ここに、いますよ」

『あらら、ここを探しても、おらへんわけや。なんで、そんなとこまで、転がったんやろなぁ?』

『あたたった。。。』

っと言いながら、和室へ玉ねぎを取りに行きました。

私は、こういううとき、玉ねぎは、そのまま、そこに置いておくことにしています。

もちろん、私が、ヒョイっと拾って、キッチンへ持って行くのは、簡単です。

でも、あえて、私は、そうしないことにしています。

母が、体調が良い時には、足をひきづって、ちょこっと歩いて、その玉ねぎを、しゃがんで拾い上げて、まだ、戻って行きます。

母の体調がダメな時には、怒って、そのまま、取りに行こうとしません。

そういう時には、私は、拾って、玉ねぎを持って行って、そして、そのまま、私が玉ねぎをお料理します。

母は、お洗濯が終わると、洗濯物をたたんでくれます。

脳梗塞の自宅での最初のリハビリメニューは、『タオルをたたむ』だったんです。

最初のうちは、ハンドタオルを4つにたたむのも、痛がって、時間がかかっていました。

リハビリのために、私は、幾つも、簡単作業を用意して、毎日、繰り返し、行っていけるようにしています。

母も、そのことに気がついているらしく、親戚の電話で、『これは、私のことを思って、マリアが、用意してあるんだけど、しんどい時は、もう、ほっとくねん』っと話していました。

母との生活の中でのリハビリですが、これは、私が、実の娘だからできることかもしれません。

もし、お嫁さんだったら、『玉ねぎ、拾ってくれへん〜』っと、思うかもしれませんものね。

リハビリが必要な家族の苦労は、いっぱいありますが、どのくらい、楽しいものにしていけるかが、勝負?!なんじゃないかと思っています。

高齢者は、みんな、1日のうちでも、体調が変化します。

毎日、一緒に、暮らして行くことが、何よりもの親孝行なんだと思うマリアです。

あなあなかしこ。。。

あなたに愛と平和を

わたしに愛と平和を

マリアレイ


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